料理研究家マッチーがブログで伝える長崎よもやま噺し。

料理家マッチーがジゲモン視点で長崎の料理・人・風物・名所などについて綴ります。

長崎の避暑地

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長崎に居留していた多くの外国人が、夏の蒸し暑さから逃れるために、度々家族連れで訪れ来客をもてなした所が漁港茂木です。往時には瀟洒なホテルが立ち並び、洋装の老若男女が行き交う賑わいだったそうです。今はその影もありませんが、古くから商いを続けてきた商店にその名残を感じます。


またかつて相当な漁獲量を誇った良港でもありますが今は寂れ、海水浴客でごった返していた浜辺に人影は疎らです。最近この港の朝市に魚を仕入れに行くようになりました。しかし早朝5時半には漁師が納めにきた魚を、買って行く人が大半だそうで、なかなか思うものが手に入りません。


長崎市内で予約制の料理教室と食事処をやってます。ぜひ一度HP・FBをご覧下さい。 HP:http://www.enishimachida.wix.com/enishi-lifestyle   FB:季節の家庭料理教室こんそーる

西坂教会のモニュメント

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    長崎とキリスト教の関わりは古く、今も多くの信徒が日曜日の礼拝や、様々な行事に参列します。かく言う私も母方がクリスチャンで、洗礼も受けて聖人名も授かっています。信仰はしていないので、たまに教会で葬儀や法要に出ると、なんとなく居心地悪い思いをします。


    この西坂の丘に聳える聖フリッポ西坂教会のモニュメントは、天に聳える巨大な二の足を彷彿とさせ、子供心に鮮烈な印象を受けたのを覚えています。バルセロナの地に今も槌音が響く、聖サクラダファミリア教会の設計者アントニオ・ガウデイを我が国に紹介した今井兼二氏に設計によるものです。


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江戸時代に信仰することを禁じられ、その咎めに屈せずに張り付けの刑を受けた、子供を含め26体の聖人像のレリーフが、迫害の歴史を今に伝えています。生身の人間の手足に杭を打ち込んでまで、その信仰の広がりを恐れた為政者の姿と、仏像の裏にマリア像を隠しひっそりと信仰を守り抜いた民衆の逞しさに想いを馳せます。


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枝豆羊羹

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この夏好評だった甘味メニューに枝豆羊羹があります。工程は簡単ですが色と香りが勝負だけに気を使います。寒天を加えてのねっとりとした食感と、口中に広がる爽やかな枝豆の香りが何とも涼を誘います。上に飾る桑の実は昔が懐かしいと話題にのぼります。


#夏  #甘味  #枝豆  #水羊羹  #涼


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ピャーロン

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ピャーロンとは長崎南部の方言でペーロン競争の事です。もともとは中国から伝わったもので、あちらではドラゴンレースと呼びます。昔長崎港内で中国船が難破し、海の神様の怒りを収めるために奉納されたのがきっかけでした。


スピードが出る様に細長く設計された船に、左右に20人程の屈強な若者が乗り込み、太鼓のリズムに合わせて一斉に櫂を漕ぎます。沖合いに浮かぶ目印まで進み、回り込んだら戻ってスタート地点までダッシュをかけます。


昨日は職域・中学校・女性部で試合が行われ、今日は一般の部でレースが行われます。炎天下の陽炎がゆれる中、多くの見物客を集めてレースが行われます。今が旬の長崎の風物詩でした。


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骨董の器使い

和食に限らず洋風家庭料理も和骨董の器に盛り付けることが多いです。器の力と言いますか、些細な家庭料理の一品であっても、幕末から明治あたりの器に料理を盛ると盛り映えがします。色絵や金襴手を用いた器には、盛り付ける料理の色目を考慮しないといけませんが、白磁青磁や染付けの器には自由に盛り付けができます。


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伊万里(有田)焼きや九谷焼きなどの磁器に加えて、備前や志野や織部焼きなどの柔らかな土の陶肌には、用の美を追求した職人の手仕事が見てとれます。季節の食材を用いて旬の家庭料理を創作する際に、磁器や陶器の使い分けや、絵柄や文様・姿形をあれこれ考えるのは料理人の楽しみでもあります。

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また輪島塗りや会津塗りなど各地に伝わる漆芸もまた、食卓を豊かにする大切なアイテムです。天然の木材を使用し何度も何度も塗り重ねた漆の器は、一世紀を過ぎてもその匠の技は輝きを放ちます。今は寂れて後継者がいないこういった業界にも、新しい動きが若手の作家達の間で生まれていることは喜ばしい事です。

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